「怒り」

今日の本は、吉田修一さんの「怒り」です。

冒頭で語られる凄惨な殺人劇。
その犯人と思われる人物が逃亡。
その逃亡先は?
房総の港町で暮らす愛子。
東京で広告の仕事をする優馬。
沖縄の離島へ引越した泉。
三人の目の前に現れた男のいずれかが犯人なのか。
という感じのサスペンス風の物語です。



新聞広告につられて内容もよく知らないのに手に取りました。
引き込まれるようにグイグイ読んでしまいました。
ただ、イマイチ人物への感情移入がしにくかったです。
面白いけど夢中で読めない、って感じの違和感が残る物語でした。





信じることの難しさを味わっている人
秘密を抱えて生きている人
愛する人への疑いを持っている人
にオススメです。



オススメ度
☆☆☆





theme : 読んだ本。
genre : 本・雑誌

tag : 吉田修一

「悩むが花」

今日の本は、伊集院静さんの「悩むが花」です。

最近何かと話題の週刊文春で連載中の人生相談コーナーです。
子供から大人まであらゆる悩みに答えています。
悩みに答える形式で、伊集院静さんの哲学や生き方などが垣間見えてきます。
真剣に答えるときも、テキトーに答えるときもユーモアがあって面白いです。

たまには小説ではなくて、こんなエッセイ(?)も。


骨折して通っている病院に置いてある週刊文春。
毎回このコーナーを楽しみに読んでいたので、手にとってみました。
伊集院静さんのような大人って、なんかいいですね。



大人の生き方に憧れる人
人生を割り切って生きていきたい人
生き方に悩んでいる人
にオススメです。



オススメ度
☆☆☆☆☆




theme : 読んだ本。
genre : 本・雑誌

tag : 伊集院静

教団X

今日の本は、中村文則さんの「教団X」です。

自分の元から消え去った女を追ううちにたどり着く謎の二つの教団。
解放的なゆるい教団と閉鎖的なカルト教団。
対照的な二人の教祖の生きざまと教義が交錯し、この国を根底から揺さぶり始める。

宗教、哲学、戦争、量子学、SEX。
いろんなものがごちゃまぜになって、教祖二人の対照的な教団を浮き彫りにされていきます。
ひとつひとつの哲学なり体験なりは面白いのですが、全体として見るとなんだか「?」でした。
長い長い物語ですが、読み終わってみるとちょっと物足りない、そんなお話です。
量子学の部分は、わかったようなわからないような。
ちょっと勉強してみようかな、って気になりました。(しないでしょうが)





宗教に興味がある人
戦争体験と理性に興味のある人
生き方に悩んでいる人
にオススメです。



オススメ度
☆☆☆







theme : 読んだ本。
genre : 本・雑誌

tag : 中村文則

燕雀の夢

今日の本は、天野純希さんの「燕雀の夢」です。

長尾為景「下剋の鬼」
武田信虎「虎は死すとも」
伊達輝宗「決別の川」
松平広忠「楽土の曙光」
織田信秀「黎明の覇王」
木下弥右衛門「燕雀の夢」


名前を聞いても「誰?」と聞きたくなるような人物が主役の物語です。
しかし、それぞれの人物の息子たちは英傑と呼ばれる人物です。
謙信、信玄、政宗、家康、信長、秀吉。
ほとんど知ることのなかった英雄たちの父。
どんな思いで自分の子を見ていたのか。

自分と父、子供。
いろんな関係性で感情の移入先がかわってくるとは思います。
私は子供がいないので、自分の父はどういう思いで私のこと見ていたのか。
そんなことを思いながら本書を読みました。

織田信秀さんの話が一番好きです。




歴史に埋もれた人物が好きな人
次代に期待する子供がいる人
父子関係に悩んでいる人
にオススメです。



オススメ度
☆☆☆☆☆







theme : 読んだ本。
genre : 本・雑誌

tag : 天野純希

戦始末

今日の本は、矢野 隆さんの「戦始末」です。

羽柴秀吉(金ケ崎)
馬場信春(長篠)
柴田勝政(賤ヶ岳)
堀秀政(小牧・長久手)
高橋紹運(岩屋城)
島津義弘(関ヶ原)
石田三成(関ヶ原)

名前を見るとと錚々たるメンバーですが、戦いの名称とセットで見れば
全て敗戦側として参加した面々となります。
そんな敗者、とくに殿軍となった者たちの戦い様を描いた作品集です。

若かりしころのエネルギッシュな秀吉、仕えるべく主を亡くした喪失感に中にいる信春。
言い訳や後悔に縛られる勝政、黙々と敗戦処理をする仕事人・秀政。
死を覚悟しても次世代に期待し晴れやかな紹運。
自らの戦場を探し求める戦人・義弘に、絶望的な状況で自分の生き様を見つめなおす三成。


感情移入できる武将もいれば、首をかしげたくなる人物もいる。
追い詰められ、絶体絶命の場面での人間の行動を想像させられました。
敗者目線での戦場を、これだけ並べられた作品ってめずらしいのではないでしょうか。
読後スッキリ爽快とはなりませんが、なかなかに得難い気分になるお話でした。


歴史に埋もれた人物が好きな人
勝者より敗者に感情移入してしまう人
一敗地に塗れたが復活を期す人
にオススメです。



オススメ度
☆☆☆☆☆




theme : 読んだ本
genre : 本・雑誌

tag : 矢野隆

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